12 暗闇でへーんしん
バンコクからの乗り継ぎ便が遅れてシェムリアップに着いた時はもう真っ暗。
空港を出ると、沢山の人々が、タクシーだの、ホテルだの、ツアーのプラカードを持ってる人だのワイワイと騒いでにぎわっている。
どこの国も似たようなもの、唯一日本の空港はタクシーやホテルの押し売り的事をする人はいないであろう。
僕は空港タクシーのカウンターに行き、5ドル払い指定されたタクシー
に乗った。
宅麻伸似のドライバーにTゲストハウスに行ってくれとお願いした。
Tゲストハウスは日本人の宿泊客が多いことで有名らしいのであえてはじめはそこに泊まろうと思い決めていた。
にっこり笑顔で宅麻伸似のドライバーはタクシーを発進させた。
夜のシェムリアップの外灯のほんとに少ない国道であろう大通りからきなり右にハンドルを切り薄暗い未舗装の砂利道の細い通りに入り少し走ると、そこで宅麻伸似は車のエンジンを止めて何やらハンドルを握りながら人差し指をハンドルにポン、ポ
ンと当てながら考えていた。
辺りは真っ暗になり、何も見えない。そうしてると目が慣れてきてぼんやり見えてきた「ここはどこ」と聞くと、宅麻似が右肩から僕の座る後部席に振り返り大きな声で「Tゲストハウスは知らない」「Sゲストハウスでいいか?」と言う。「うあーっ。怖えーっ。こいつ、へんしんしやがった」
おいおい、その為に俺をこんな暗がりで、こんな怖い思いさせるのか?
だんだんと怒りがこみ上げてきた
。瞬間的に宅麻似の要求を突っぱねる気持ちは固まった。
そのSゲストハウスから紹介料のバックマージンもらうって言う魂胆だな。それなら尚更ここに来る同じような日本人ためにも屈したくない。
この状況で宅麻似の要求を飲むわけには行かない。
暗がりで襲われても構わない。
ただ頑なにこの男の好きにはさせたくない。
僕もここは強情だ。
「よし、わかった。俺はここで降りるからトランク開けろ」
宅麻似はトランクを開けて僕のバックパック
を出し何も言わずに手渡した。僕は前も後ろも闇の砂利道をやけくそになり歩き出した。腹の中が煮えくり返ったので、もしこの場で襲われたりしたら、
両者とも最悪の事態だっただろう。
少し歩いていると、食堂が見えてきて
そこのお兄さんに「Tゲストハウスに行きたい」と告げると2ドルでバイクの後ろに乗せてもらい無事につれてってもらった。
バイクの後ろに乗ってる間「ミスター?アイ、ノウ、グッドマッサー」としきりにセールスしてきた。(笑)「あぶねーな。前見ろよ」ふらつきながら走る。
国が荒廃して立ち直りつつある国民の逞しさや強かさを入国して速攻で身をもって感じ取った。
何事も日本の尺で計ってもそれは矛盾が生まれるし、納得いかない事もある。しかし、暗闇でへーんしんとか、こういうのは許せん。
それから、シェムリアップで他の日本人と会っても聞く話しは似たようなケースばかりだった。
宅麻似も、もっと違った方向でがんばってほしいのだ。
次の13話はこちら💁http://www.mackey69esctcc.com/entry/2017/11/11/115500
【1話から読む方はこちら】💁♂️http://www.mackey69esctcc.com/entry/2017/10/29/112317
🇯🇵日本の仮想通貨、暗号通貨
新規口座開設
おススメはzaif取引所です。
簡単開設、本人確認ハガキが届けば即取引可能です。。👍
こちから新規口座登録できます。⬇️
<a href="https://zaif.jp?ac=tq1bkbwamp" rel="nofollow">Zaif</a>